余白で表現する写真

こんにちは。

今回の写真特集では、
「余白で表現する写真」と銘打ちまして、今までとは違ったアプローチで余白について考えてみます。


余白の与える影響


ところで写真の第一印象って何で決まるのでしょうか?
被写体色合いボケ具合
確かにそういった要素も重要かもしれません。


です第一印象を大きく左右するのは余白の使い方です。

…余白ってなにもないのに?

そう思われるかもしれませんが、むしろ何もないからこそ写真の印象を大きく左右しているのです。


下の写真をご覧ください。




被写体は同じはずなんですが…

何となく印象が違います

なんで同じ被写体でも印象が変わるんでしょうか?



余白が影響していた!


実はこの印象の差、余白が引き起こしているものなんです。


上の写真は何となく期待感、希望があるのに対し、
下の写真はどことなく切なさ、絶望が感じられます。

これこそが余白の与える大きな影響。

前に余白=前進感、未来感が出ます

後ろに余白=行き詰った感じ、うしろめたさなどが表現されます

これは人間以外にも動物でも同じ手法が使えますし、モノを撮るときも使えます。
鉄道、自動車、航空機などののりものなら旅立ちの雰囲気を表現することもできます。

拾い物ですが、進行方向の余白が朝焼けと相まって期待感のある旅の始まりといった感じ。

こちらも拾い物。進行方向には余白があまりないですね。入道雲とともに夏の日の別れを表しているような…




まだまだある余白の便利な使い方


ほかにも余白には写真における働きがいくつかあります。
例えば…

  • 画面の広がりを表現・誇張
  • 画面の区切り
  • 主役の引き立て

画面の広がりを表現・誇張

例えばお城を撮るとしましょう。今回は 白過ぎ城 姫路城です。
「やっぱ主役は城だし、城の大きさを表現したいな…でも今日は天気もいいし、空も使ってみたいな…」なんて考えた主は二枚写真を撮りました。

こちらは空(余白)を少し広めにとった例です

こちらは対して寄って城を見上げるようにすることで誇張しています
このように表現の仕方を変えてみました。

どうでしょうか?
一枚目は何となく「空の広さ」が強調されているような感じが、
二枚目は「城の大きさ」が強調されていませんか??

余白の置き方次第では写真のどの部分に注目させるか、ある意味仕組むことができます、

画面の区切り

ふたつの被写体の間に余白を置くことでその被写体同士の関係性を表現することができます。

人物同士の距離が近いと、どことなく暖かい印象を感じます。
逆に距離が遠いと、哀愁を感じる作風になりますね。

このようにして余白の位置や大きさを変えることで全く違った作品になることがわかります。

主役の引き立て

これは余白の果たす一番重要といってもいい役割です。
真っ白なシャツにカレーうどんのシミがあったらとても目立つように、空白の中にポツンと被写体を配置することで、非常にインパクトのある作品ができます。
こちらも背景がシンプルなおかげで手前の人物がとてもよく目立っていますね。

もし被写体の中に強調したいものがある場合、背景をできるだけシンプルにするともに余白の位置や大きさにも気を使うとより良い写真が撮れるはずです。

まとめ

余白ってあまり意識されることがないのですが、三分割構図や日の丸構図といった構図の種類を覚えるよりかはるかに楽に印象的な写真の撮り方をマスターできると思います。また写真をパッと見たときにまず目に留まるのは実際主役余白だったりして、写真にとって非常に重要なパーツなのです。その余白に今までと違った目の向け方をするだけでも、(特に初心者さんなら)写真の出来はグングン上がっていくはずです。中級や上級になってもやはり写真のテーマ性やインパクトを変えようと思ったら余白の取り方を考えることになるのではないかと思います。それくらい余白は写真を撮る人誰にとっても大事な要素です。今度写真を撮りに行くときは、ぜひ自分の余白の取り方について意識してみてください!

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